第43章 Requiem 場地
「っんだよお前ぇえっ!」
「いってぇっ…!」
「やっちまえっ!」
すぐさまランに飛びかかろうとするガキ共を、俺は打ちのめした。
「ランに触んなカス。」
ランは焦った様子で手で土を掻き分けて猫を救い出し、一生懸命砂を払っている。
「そいつ…大丈夫か?」
「…うん…怪我は…ないと思う。」
「そっか。良かったー」
心配そうに猫を撫でるラン。
そもそも俺より先に一瞬の戸惑いもなくガキに立ち向かっていったランに、俺は少し胸が熱くなっていた。
猫に対するランのこれは、
きっと同情なんかじゃない。
そう思った。
「ラン、帰ろうぜ」
手を差し伸べた時、
ドンッと後ろからガキに蹴り飛ばされた。
気が付くとそのガキはランの抱いていた猫を引ったくっていた。
「てんめぇっ!!」
「こいつがどーなってもいいんかぁ?」
「「っ!!!」」
そいつは猫を人質……
いや、ネコジチにとりだした。
くっそ……
やられた!!
どうするこれ……
「こいつをやられたくなけりゃ、
お前らが代わりになれよ」
「なんだとっ」
「いーよ」
「おいランっ!」
「私が代わりになるから
好きなだけボコりなさいよ」
俺は目を見張った。
確かに今まで1度も泣いたところを見たことがないし、根性のある奴だなとは思っていたけど…
「いくぞおらぁぁあっ」
「コノヤローーーっ」
突然ランは殴る蹴るの暴行をされ始めた。
俺はあまりの衝撃と憎悪に腸が煮えくり返る寸前だった。
急いで駆け付けこいつらをボッコボコに殴った。
猫も取り返し、急いでランに手を差し伸べた。