第42章 rouse一虎②
「なんでだと思う?」
「は?」
「一人でいても、誰かといても、
結局は独りだから。」
「え?」
「人とのつながりがあっても、自分はその誰からも理解してもらえてない気がして孤独を感じるでしょ。
独りでいても仲間といても同じ。」
俺はその言葉に目を見張った。
「誰も自分のことを理解してくれないなんて、当たり前なの。どんなに仲良くても、どんなに一緒にいても、赤の他人なんだもん。」
「……っ…」
ランは真剣に俺を見つめている。
「自分が理解していない自分を赤の他人が理解することなんてできない。
もっと言えば、"誰かに理解してもらう"なんてこと自体が幻想なの。
そんな幻を追い求めているから、いつも辛いんだよ一虎。」
俺はまるで、雷に撃たれたような感覚を覚えた。
こんなことは初めてだった。
「表面上、分かったような顔をしていたって、誰もあんたのことなんか分からない。
それはあんただけじゃない。全員そうだし、あんたも他人の事は分かりはしない。」
……。
じゃあ…じゃあランも…
俺のことは…
「ならなんでお前は他人と繋がってんだよ」
「他人と繋がるんじゃない。
自分と繋がるの。」
「……は…?」
「人との繋がりっていうのは、
誰かと繋がることで、自分の中の新しい自分自身と、今までの自分自身とが"自分の内面で繋がる"ことなの。」
力強く言われたその言葉に
胸を打たれた。