第42章 rouse一虎②
翌日、皆はその話に大笑いした。
「一虎の親父さんにドロップキック?!
あははははははははははは!!!!」
「うっせぇなぁ。誘拐犯かと思ったんだよ」
「だからってふつー人の親いきなり蹴っ飛ばさねーよ?!あははははははははは!なぁ?こいつアホだ!」
「あのあと大変だったんだぜ?
コイツさぁ下げる頭は持ってねーとかふざけたこと言ってるから、俺が平謝り!」
「だいたい誘拐犯だったとしても一虎さらう?
ゴリゴリのパンチだぜ?ハハッなぁ一虎?」
「……。うん…」
「ん?どうした?」
「マイキー…
お前が皆に慕われる理由…なんとなくわかったよ。
お前のことは認めるよ。けどさ……」
マイキーは俺のことを
ポカンとした表情で見つめている。
「俺…群れんの苦手なんだ」
本当は友達になりたかった。
でも…怖いんだ。
裏切られるのが。
「場地… ラン……ごめんな。
やっぱり俺は、1人が楽だ。」
初めから1人なら、
誰にも裏切られない。
だから俺は、
自分のことは全部一人で解決する。
「一虎〜!」
背後から近づいてくるランの声。
……なんでこいつは
こんな時でも俺を追ってくるかな。
俺の気持ちが…唯一分かるから?
「私もね、1人でいる方が楽なの!
1人っていーよねー
なににも縛られず、めんどくさい事もなんも考えず、好きにいられて」
「じゃあなんでお前はあいつらとつるんでんの?」
不審な顔で睨むと、
ランは眉を下げて笑った。