第42章 rouse一虎②
ヤダ……
いつでもそうだった。
アリを見るような目で俺を殴った。
……吐きそうだ。
この人と一緒にいたくない…っ!
「とぉぉおおあぁぁあっ!!!」
ドカッ!!!
え?!?!
「てめえ、俺の友達に何してんだよ」
父親を蹴り飛ばして現れたのは…
マイキーだった。
「一虎大丈夫〜?」
「っ、ラン…」
「行こっ」
ニコッと笑うランが
俺の腕を引いて父親から距離をとった。
「んなっ…?!なんなんだお前はいきなりっ!」
「あん?友達だけど?」
マイキーは顔色一つ変えずに
いきり立っている父親に向き合っている。
「まっマイキー!この人一虎の親父なんだよ」
「ん?そなの?」
場地は1人、間に入ってあたふたしている。
「いきなり蹴り飛ばすのはさすがにやべーだろ!
謝んなきゃ」
「やだね。俺下げる頭持ってねーし」
ツーンとそっぽを向くマイキーに
場地は焦ったように狼狽え出した。
「すいませんでした!」
そして結局場地が父親に頭を下げまくっていた。
でも俺は…
この時のマイキーの行動に
少しスッキリしてしまっていたのは確かだった。
こんなことをなんの躊躇なく出来る奴は…
こんな自己中な奴は…
きっとそういない。