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progress ~東リべ卍~R18~

第42章 rouse一虎②



「どうしたー?一虎」


「…いや、別に。」


中学生になったばかりの頃、俺はよく場地のバイクの後ろに乗せてもらっていた。


「おい!場地!!
俺のホーク丸を追い越すんじゃねえよ!」


「あん?お前がおっせぇからだよ!」


「てめぇら皆!俺の後ろを走れ!」


俺は舌打ちした。

偉そうな奴…

佐野万次郎。通称…無敵のマイキー。


チビでダセェ原チャ乗って
何が無敵のマイキーだよ。

クソだせぇ。

マイキー見てると"アイツ"を思い出す。



「ホーク丸は世界一速ぇーんだ!!」



「おー悪ぃ悪ぃ」
「おーけーおーけー」


ドラケンも三ツ谷もパーチンも…
みんなみんなマイキーなんかに従ってくっついて歩いて…金魚のフンかよ気持ち悪ぃ。


そんな中、やっぱり俺の苛立ちをほんの少しは沈めてくれる存在がランだった。



「ったく…万次郎の後ろなんか走ってたら日が暮れちゃうよ。バカみたい。」


ランは三ツ谷の後ろに乗りながら
呆れを通り越したような無機質な表情で斜め上を向いて呟いていた。



「はは…マイキーに聞こえちまうよ」


「むしろ聞こえろよ」


三ツ谷にそう答えて溜息を吐いている。


全くもってその通りだ。


やっぱりランだけは他と違う。
ガキじゃないしクズじゃない。

最高の奴だと思っていた。


こんな奴があんなマイキーなんかと一緒に住んでると思うと、マジで胸糞悪い。

しかももう1つ腹立つことがあった。


マイキーはランのことを
なぜだか「俺の女」だと豪語している。


意味わからん。

別に付き合ってねぇくせに。

しかも俺は気付いてる。


ランが好きなのは三ツ谷だ。


マイキーでも俺でも場地でもない。


三ツ谷は…きっとマイキーに遠慮してんのかもしんねぇ。
けど、ぜってー両思いなんだろうな。
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