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progress ~東リべ卍~R18~

第41章 reverie 一虎①



しばらくして場地も寝てしまい、
俺はなんだかまだ興奮状態でボーッと座っていた。


ランの寝顔に視線を移す。

こうして見ると、
普通に可愛い女の子って感じなのに…
そのマイキーってのと同じくらい最強で…

でも、惨い過去があるんだな…。


ていうかこの子…
俺と同じだ…



「んー…っ…はー」


目を擦りながらランがむくりと起き出し、目が合った。


「あ…お、おはよ」


「んー…あ、ピアス…
圭介ちゃんと開けれたんだァ〜」


「あ、うん…」


「似合ってんじゃん」


ニッと、初めて俺に笑いかけてくれた。
思わずドキッと鼓動が跳ねる。


「てかさぁ、ずっと思ってたんだけど、
あんた良いとこのお坊ちゃんでしょ?」


「えっ?」


「いい服着てるし、雰囲気でわかる。
なのにこんな朝まで遊んで不良やってて平気なのー?ちゃんとお母さんお父さんに連絡したの?」


「…してねぇよ。あんなのいないも同然だ。しょっちゅう喧嘩してて俺のことなんか無頓着だし、現に誕生日だっていつも忘れられてるし」


そう言うと、ランは目を細めた。
その様子がどこか妖艶で大人っぽく見えた。


「へぇ…。せっかくお坊ちゃんで両親もちゃんといてお金もあって、何甘ったれてんだって1発殴ろうと思ってたけど、やっぱやめとく」


「えっ」


「贅沢な奴って思ってたけど、
それじゃあ嫌にもなるよね。わかる。」


「っ…」


「私だってそうだった。幸せな家庭なんて幻想で、いつも顔色伺って機嫌とることばっかして…心が削られてた。
親なんていない方がいいと思うことあるよね。私は綺麗事は言わない」


そう言ってにっこり笑みを浮かべるラン。
俺は初めて自分のことを理解してくれる人に出会ったと思った。
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