• テキストサイズ

progress ~東リべ卍~R18~

第41章 reverie 一虎①



「だから私は…誰よりも強くなるって誓った。
誰にも負けない。負けちゃいけないの。自分にも」


そう呟くランは、
強い眼光の奥に炎のような意志を宿しているように見えた。

これまで見てきた何よりも強く見えた。


「ラン…その…
さっきはごめんな、無神経なこと言って」


「ん?あーいーよもう。慣れてるし…」


「えっ…」


その時のランは
酷く無機質な、感情のない目をしていた。


「それより一虎、誕生日おめでと。
これからはうちらが祝ってあげる。」


その目が、瞳が、綺麗だと思った。

うまく誰かを好きになったり、
友達になったりできないでいた。
誰に対しても傷つけたりしないようにただ合わせてた。

両親の邪魔もしたくなかったし
家では良い子でいたかった。

自分のために…?
周りのために…?


「………。」


少しくらいいいのかな…
誰かと一緒にいても。



これからも、彼女は彼女なりの生きにくさを抱えていくんだろう。

きっと俺よりも強いけど、
なぜだか弱く見える。

守ってあげたくなる…

この気持ちはきっと、
場地とかマイキーってやつも同じなんじゃないかなと思った。


この子が愛する世界を
自分が守ってあげたい、と。


「一虎ってよく見るとイケメンだね〜ハハッ
それこそ女の子みたい〜」


「……俺はこの顔嫌いなんだよ…なめられるし…」


「ブハハハハハハッ、っあ、
静かにしなきゃ。圭介起きちゃう」


そう言って、寝ている場地に優しい目を向けた。
それこそ "女" だと思った。


その眼を独占したい。

それが自分に向けられたら、
どんなにゾクゾクすることか。


彼女を好きになって好きに思われたい。
自分だけのものにしたい。


初めてそんな感情を抱いた。


もしその願いが叶うなら…
俺は……

/ 996ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp