第41章 reverie 一虎①
「こーなったら本人に決めてもらおーぜ!
一虎、俺とランどっちに開けてほしい?」
「えぇっ…」
正直どっちも怖いんだけど…
「ま、まあま…どっちかっつーと…
女の方が器用そうだから… ランに…」
その瞬間、ランは途端に目の色を変えた。
「女だからって何?は?!テメェ殺すぞ!」
「まてまてまてまてラン!
あ〜悪ぃ一虎!ほらとりあえずウチ行こーぜ!」
え、え、えー?なに…?
いきなりなんなんだ今の…
ひとまず場地の家に着くと、
もう朝ということもあり、夜通し暴れ回っていたせいかランは眠ってしまった。
そんなランに、そっと毛布をかける場地はすげぇ柔らかい表情をしていた。
ぜってー惚れてる…
すぐに分かった。
結局俺は、場地にピアスを開けてもらった。
「痛かったかー?」
「いや、思ってたより全然。
それよりさ…さっきのなんだったんだよ…
すげーびっくりしたんだけど」
「あ〜ラン〜?」
その後の場地の話を聞いて
何も言えなくなった。
「だからランはさ、女扱いされることを心底嫌がんだよ。で、世の中の男はみんな敵。マイキーとか俺とかが認めた男としか喋んねぇんだぜ?
喧嘩もすげー強くてマイキーとおんなじくらい」
「なぁそのさっきから出てくるマイキーってのはなんなんだ?」
「は?お前知らねぇの?!マイキーは不良界で超無敵の奴だぜ?高校生だろうと族だろうと何人いようとたった1人で一網打尽」
「えっっ!!」
そんなすげー奴いんの?
なんだよ、そいつ!
どんだけデカくてゴツくてイカチーんだろーなー
俺は必死にその姿を想像した。