第41章 reverie 一虎①
「へー!!かっこいいっ!」
男はそう言ってニコッと笑った。
かと思えば…
「じゃあテメェが相手しろやゴラァ!!」
バゴッ!!!
思い切り殴られた。
つっ強ぇ!!
なんだこいつ!!
「仲間だ?何カッコつけてんだコラ!
テメェらのは仲間じゃねぇ。"群れ"だ。
羊の群れ。
狼が来たらすぐ逃げ出す羊だ!!」
「?!」
「現にテメェの仲間はもう逃げだしたぞ?」
「え?!」
振り返ると、
本当に誰もいなくなっていた。
「ダセェ」
「………」
「で?テメェはそのダセェ奴の金づるか?」
「ちがっ…何言ってんだテメェ」
「さっきの100円…
あんな感じでいつもたかられてんだろ?」
「ちげーよ!!さっきのはたまたまだ!
たまたま!いつも金がねぇだけでっ」
「はんっ、とんだ"仲間"だな」
バカにしたように嘲笑われ、俺はキレた。
「うっせぇ!!テメェに何がわかんだよ!!」
バコッ!!
ゴンッ!!
「表出ろ」
男はニヤッと笑って言った。
「お前も来いラン」
「はぁ?なんで私まで?」
「審判だ」
「くだらな。帰るわ」
「待て待て!まだお前とのゲームの勝負ついてねぇだろ!勝手に帰んな!」
男は半ば強引に女と俺を連れて外へ出て、
そっからは俺とこいつのタイマンになった。
強すぎて全然歯が立たなかった。