第40章 retrieve*
「おま…可愛すぎだよラン」
「え?」
「マジ、反則…」
三ツ谷に顎を掴まれたかと思えば
グッと顔が近づいてきた。
色欲を纏った顔にドキドキと一気に鼓動が煩くなる。
「お前しか知らない俺、
いっぱいあんじゃん」
「…っ、たか」
「こんなことする俺のこと知ってんの、
世界でただ1人、お前しかいないよ?」
言葉を発する前に唇を塞がれていた。
ものすごく久々の感触に
頭がクラクラした。
「ん…っ…」
グッと後頭部を引き寄せられ、
角度を変えて舌が侵入してくる。
甘い吐息が三ツ谷からも漏れる。
それだけで子宮がキュッと痛くなった。
「はぁっ…隆っ…」
「ふ…っ、こんなラン知ってんのも、
俺だけだよな?」
「そ、だよもちろんっ…
私はずっとずっと、隆だけだよ」
フッと安堵したように優しく笑う三ツ谷に
ランも頬を弛める。
本当はまだまだキスしていたいし、
まだまだ彼が足りない。
そこでふと、今牛の言っていた言葉を思い出してしまった。
一人顔が熱くなるが、
誤魔化すように髪をいじった。
どうしよう…
この際試してみる価値…あるかな…?
"どんな彼氏でも絶対100パーイチコロだよ"
その言葉を思い出し、
恐る恐る立ち上がり、三ツ谷の手を引いた。