第40章 retrieve*

｢｢え｣｣


声が被ってしまった。


どちらのプレゼントも
同じラベンダー色のカーディガン。
まさにオソロイと呼ぶに相応しいものだったからだ。



｢…… ランこれ…
作ったのか？｣


｢う、うん…安田さんに習って…｣


なるほど…と理解した。
安田さんだけは、あの時俺が作ってたカーディガンの存在を知っている。
わざとお揃いにするために……


｢ふっ…やるな、安田さん。｣


｢え？｣


｢ランありがとう！
すっげー上手く作ってあるし、俺紫好きだから嬉しいよ。｣


｢ほんと？！よかった…
私も紫1番好きだし、
この隆ブランドの服貰えるなんて嬉し〜っ｣


｢隆ブランド…？？｣


｢え？このロゴは隆ブランドのロゴでしょ？｣


ランはカーディガンに着いている小さい王冠の刺繍を指してそう言った。


｢いや…別にそういうつもりじゃねぇけど…
なにかワンポイント入れたくてテキトーに｣


｢えっ、そうなの？でも安田さんがそう言ってたよ？
だからほら、私もマーク入れたんだ。
ランブランド！｣


｢えっ…｣


ランブランド…？


よく見ると胸元に月と星の刺繍が施してあった。


｢へぇ…なるほど。
いいなこれ…。ブランドロゴかぁ…｣


じゃあ将来ブランド立ち上げた時、
このロゴと俺のロゴを合わせるのがいいかもしれない。