第40章 retrieve*
「うわ!三ツ谷がなんか変なのとタイマンしてる!!」
「えっ…!ま、万次郎っ」
なんと校内から出てきた万次郎が、
楽しそうにこちらにかけてきた。
「頑張れ三ツ谷〜っ!いっけ〜!」
「ちょっ!応援してないで止めてよ!」
「なんでだよ?
三ツ谷の喧嘩だろ?
誰かが止めるなんてことだけはぜってーあっちゃだめだよ」
意外にも真面目に返されてしまった。
でも……
「しなくていい喧嘩なんだって!」
「三ツ谷いけぇ〜っ!
ぶっ倒せ〜〜っ!!」
万次郎はまるで運動会の保護者のようにひたすら声援を送っている。
「くっ……」
三ツ谷は早くも息を切らしている。
対する今牛はまだまだ余裕そうだ。
当然かもしれない。
この男は10も歳上なだけでなく、真一郎時代の黒龍創設メンバーだと語っていたし、喧嘩はかなり強いのだろう。
もしかしたら万次郎だったら適うのかもしれないが、それもどうだか分からない。
ドンッ
ガンッ
「っ…!」
三ツ谷に強烈な蹴りが飛んだ。
回転蹴りのような感じでかなり俊敏で一瞬何が起きたか分からないくらいだったが、三ツ谷は受け身をとっていた。
「くっそ……」
「今回は本気出してるからね。
だって本気で彼女のこと好きなキミに失礼だろ」
「……」
「それでもここまで着いてこれてるの凄いよ。」
年上の余裕みたいな、見下すような笑みに
ランもイラついてきてしまった。
負けないで隆…
ここまで来たら絶対…!