第8章 resist
「もういいよタケミチ!!!」
「ま…だまだ…」
血塗れボロ雑巾状態でなおもまだ立ち上がり続ける金髪少年に、さすがのランも目を丸くする。
「すごい。あの子根性あるね。」
「処刑!処刑!」
「殺せーー!!キヨマサくん!!」
すごい歓声の中、
まだ立ち上がり続けるタケミチに、流石に一同の空気が変わっていく。
「もういいってタケミチ!!マジで死んじまうぞ!!」
「まだまだ…こんなん…じゃ…
俺の12年…へたれた根性は…直らね…んだよ…」
「ラン〜どら焼きもう一個」
「ん。」
目を逸らさないまま、ポイ。と袋ごと万次郎に渡す。
ランは少年のその凄い根性に目を見張りながら、パクつくどら焼きの味は分からなくなっていた。
まるで、人生を掛けているかのように立ち上がり続ける彼に、自分を重ねた。
「もう引けよタケミチ!!充分気合い見せたよ!!」
「引けねぇんだよ!!!
引けねぇ理由が!!あるんだよ!!」
その言葉に、万次郎もピクリと眉を動かした。
「東京卍會…キヨマサ…
勝つには俺を…殺すしか…ねーぞ。
ぜっっってぇぇ負けねぇ!!!」
そのとき、キヨマサが息を切らしながら、
「バッド持ってこい。」
一言そう言った。