• テキストサイズ

progress ~東リべ卍~R18~

第39章 respective



そうだよね…
とにかくちゃんと話さないと。

それで、ホワイトデーには絶対喜んでもらいたい。
私がどれだけ隆のこと想ってるのか分かってもらいたい。

だからその想いを、
このカーディガンに詰め込もう…!


「…そういえば安田さんて、
どうして手芸部に入ったの?」


作業をしながらずっと思っていたことを問いかけてみた。


「あぁ、私はね、小学生の時も手芸部で元々結構自信があったんだ。
だから中学上がった時、迷わず手芸部って思って部室に行ったんだけど…部員だ〜れもいなくてさ」


「えっ?!」


「部長とか林くんとかいて、まさに不良の溜まり場かと思ったよ。ホンット怖くってビックリした。
でも部長も手芸部やりたいらしくて、部員集めを始めたんだけど全く集まらなくて。」


そんなことは初耳だ。
確かに中一の頃の三ツ谷もペーやんもパーチンも見た目はかなりヤバかった。
そんな部室には誰も入りたくはないだろう。


「でも…じゃあなんで今はあんなにたくさん部員がいるの?」


「はは、それは、いま思うと笑えるんだけどね、
手芸部ホストをやって部員集めたんだよ。」


目が点になってしまった。


「な…なに手芸部ホストて……」


「部長がホストになって、女子部員たちを勧誘したの!
入部したらどんなものでも作れるようにしてあげるとか言って、いろんなもの披露してね、その時のスーツも部長の手作りで。
みんな顔真っ赤になってたくさん入部してくれたよー」


「え"」


……なにそれ。
え、なにそれなにそれ。

知らないし聞いたことないし聞いてないし



「その時の部長カッコよかったよ〜」


「……。隆が…ほ、ホスト……」


当時は少し長かった髪をセットして
派手なスーツを着込んで
女の子たちに囲まれ甘い言葉を囁く…

そんな彼を想像したら、
目眩がしそうだった。


ていうか……

私には、大事なこといつもなんも言わないとかってキレてたくせに、私にも言ってくれてなかったよね…?

これかなり大事なことだと思う。うん。
/ 996ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp