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progress ~東リべ卍~R18~

第39章 respective



「ねぇそういえば、ランちゃん知ってた〜?」


「え?」


「部長ね、もうちゃあんと三ツ谷ブランドのロゴあるんだよ〜」


「えぇ?!」


それもかなり大事なことだ。
なんで私には何も教えてくれてないの…?


「…どんなロゴ?」


「こういう…ね、見たことない?」


「あ…」


安田さんが書いた王冠のロゴは
三ツ谷がよく制服の上に着ているカーディガンに刺繍されているものだ。


「これ…ロゴだったんだ…」


もうこんな素敵なものまで考えついていたとは…


「なんか私…隆のこと
実はホントは全然知らないのかも…」


安田さんや、周りの部員たちの方が
遥かに三ツ谷といる時間は長いだろうし
自分よりも知っている気がした。

どうしようもない空虚感と嫉妬に似た感情に苛まれる。



「はぁ…私も自分のロゴでも入れようかな…」


「あぁ!それいいじゃん!
どんなのにする?」


「ん〜…そうだなぁ…」


ランはノートを広げ、
それからそれへと絵を描いていった。

それを見つめている安田さんの目はみるみる見開かれていく。


「……。」

(すっかり忘れてたけど…そういえばランちゃんて…めちゃくちゃ絵が下手くそ…じゃなくてっ…個性的なんだった…)



「…あ〜あのさランちゃん、
もう少しシンプルなものにした方がいいと思うよ。
たとえば星とかハートとかさぁそういう簡単な」


「でもそれじゃ隆のに負けてんじゃん」


「……。」
(どういう反抗心?)


「安田さんこんなのどぉ?
ユニコーン。カッコよくない?」


「えっ!」
(ユニコーンなの?コレ??)


「じゃあコレどお?人魚!」


「えっ…?」
(コレ…人魚…??なんかアマビエみたい…)

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