第39章 respective
「ほら、どうぞ?
来いよ、2人とも纏めて相手してやる」
どうしてこんな状況になってしまったのだろう…?!
ランはとにかくあたふたしていた。
「八戒、てめぇは下がってろ」
「俺もやるよタカちゃん!」
「2対1なんてセコいだろ?」
「……。」
三ツ谷は真顔で今牛の前に迫った。
「ま、待ってよ、なんでっ!やめようよ!」
「お前は黙ってろよ」
三ツ谷に低く制され、その雰囲気にランは思わず口を噤んでしまった。
シュッー…
ドカッ!パシっ!
今牛は三ツ谷の拳を握って目を細めた。
「へぇ〜中学生のわりには速いし力強いね」
かなり俊敏な三ツ谷の攻撃を
今牛は余裕な表情で避けている。
「でも当時の俺の足元にも及ばないかな」
「おいてめぇさっきからなんでなんもしてこねぇんだよ」
三ツ谷は既に息を切らしつつあった。
「ん?だって大切な子の大切な子だろ?キミって」
三ツ谷は、会った時からガキ扱いしてくるこの男に心底イラついていた。
ドガッー…!
「おお…なかなかやるな」
三ツ谷の蹴りを今牛が止めながら
ニタリと笑った。
「でもまぁ…これじゃキリないよな。
そろそろ終わりにしてあげる」
ドンッ!
「っか…ぁ……っ!」
凄い威力の今牛の拳が
三ツ谷の腹に飛んだ。
「タカちゃん!」
「隆っっ!!」
「てん、めぇっっ」
ドガッ!
八戒まで一瞬で転がされてしまった。