第39章 respective
「あれっ?きのーの子だ。」
「えっ!」
帰宅路でバッタリと出くわしたのは、
昨日のヤンキーだった。
奇抜で個性的な髪型なのですぐに分かった。
そして向こうも向こうで、ランの赤いスカーフが目立っていたのかすぐに気が付いたようだった。
「昨日はありがとうございました」
「いや。にしても奇遇だな〜
学校帰り?」
「はい」
「なぁ、ちょっと話さねぇ?」
「えぇっ?」
なんで私と?
「ちょっとキミと話してみてぇと思ってたんだよ。
大丈夫、俺、怪しい奴じゃねーから」
ニコッと笑われ、彼の数珠のようなピアスが揺れた。
いや…
どっからどう見ても怪しい奴にしか見えない。
しかも今日はとても急いでいる。
早く帰ってアレを作らなくては…
「真一郎の妹だろ?キミ。」
「っっ?!?!」
その言葉に驚愕してしまった。
目を丸くして言葉を失っているランは、結局興味をそそられていつの間にかヤンキーと近くのカフェに入っていた。