• テキストサイズ

progress ~東リべ卍~R18~

第39章 respective




「うっ………」


なんか息苦しい…

こんなぎゅうぎゅうの車内初めて…
サラリーマンとかばっかだし…。

これからはこの時間帯はなるべく避けよう。



電車が動きだし、先程買ったものを両手に抱えて守りながらなんとか体勢を保っていた。


「っ?!」


え…?
気のせいかな…?

なんかさっきから妙に
背後にピッタリくっつかれてる感じだけど…


まぁしょうがないよね…
この状況じゃ振り向けないし、キツキツなのはみんな同じなんだから我慢しなくちゃ…



「……っ…」



でもホント嫌だなぁ。
さっきから後ろの人、私のお尻にスルスル服が擦れてる感じが…



「おい」


「っ?!?!」


突然自分の背後から低い声色がした。
周囲の人たちの視線も驚いたようにこちらに向く。


「てめぇよぉ、この子のケツ触ってただろ?」


「「「!!!!!」」」


そこには、スーツの男の手を掴んでいる、どっからどう見ても奇抜なヤンキーのお兄さんがいた。

小柄で細身。
眼はタレ目で下まつげが多い。瞳の色は紫色。
ドレッドヘアをポニーテイルで結んでいる髪の色は黄色と紫の二色。
それでいて何か棒のようなものを口に咥えている。

どっからどう見てもヤンキーだ。



「なっ、何を言ってるんだキミはっ」


「誤魔化しても無駄だぞ。
おら、おっさん、とっとと降りろよ」


ちょうど電車が止まり、ヤンキーは嫌がる男を凄い力で引きづりおろしながらランに視線を向けた。


「なにしてんの?お嬢ちゃんも来んだよ」


「っ!っあ、は、はい……」


どうしよう…!
私…ち、痴漢されてたの…?!


ていうかこの男の人……
すごい髪型だし…強いし…なんか怖いし…
痴漢捕まえてくれたはいいけど…
絶対この人だって普通の人じゃない気が……


その後、駅員が呼んだ警官を前にしてランはいろいろと事情聴取され、その間もずっとその"ヤバい髪型のヤンキー?"はついていてくれた。
/ 996ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp