第39章 respective
こうなったら…
てかこうならなくても……
安田さんに聞けば何か…!
初めからそうしとけば良かった!
ランは安田さんに電話をかけた。
«あ〜部長には…んーそうだなぁ…
やっぱ手作りの服とかがいいんじゃない?»
「えっ!ちょっと待ってよ服なんてっ…!
私にそんな高度なものまで作れるわけないじゃん!」
«そぉ?最近ランちゃん腕上がってるしいけると思うよ?…あ!そーだ!カーディガンなんかどう?私も協力してあげるよ!»
「えっ…か、カーディガン?」
«そーそー!ほら、この先の季節着られるしさぁ。今度一緒に買い物行く?生地とか一緒に選んであげるよ!»
「ホントに?!わぁあ〜ありがとう安田様!」
«はっはっはっはっ。安田様を敬え〜!»
ということで、さっそく次の日の放課後に安田さんと隣駅に買い物に行くことにした。
隣街には安田さん行きつけの裁縫屋さんがあるらしい。
その日はランは三ツ谷の部活が終わると、不自然に思われないよう、安田さんとは別で部室を出るため帰宅する振りをした。
「隆ごめんっ!今日は用事があって!先に帰るね!じゃあね!」
「っえ?あっ、おいちょっとっ…!」
「部長お疲れ様でしたー」
「ん、あぁお疲れ安田さん。」
……なんだ?
ランのやつあんな急いで…
てか俺…今……
付き合って始めて一緒に帰るの拒否られた?!