第37章 render
「悔しい……」
「え…?」
「私は隆にあんなボロボロのチョコしかあげられなかったのに…みんなこんなに可愛くて美味しくて…私のと大違いで、」
「ちょっと待てってラン!
お前のめっちゃ美味かったし1番嬉しかったに決まってんだろ?!
俺はお前からのバレンタインさえあればマジで1つもいらねーよ!」
真剣に言われ、ランはウルッと来てしまった。
「……ホントに?」
「当たりめーだろ」
「じゃあこれ全部食べるね」
「………あぁ。」 (腹壊すぞ…)
でも……と三ツ谷は呟いた。
「嫉妬してるお前も…すっげ可愛いな……」
「へ?なんか言った?」
まだ拗ねているような顔で
見つめてくるランに、三ツ谷はフッと頬を緩めて顔を近づけた。
「愛してるって、言ったけど?」
ドクッと鼓動が跳ねた瞬間、
一瞬だけ唇を塞がれた。
「あま……」
何食わぬ顔でもう一度ペロリと唇を舐めてきた三ツ谷に、ランは目を見開いたまま固まってしまう。
「んー…美味かったくらいの感想は言っとくか。
ランの口から味わったからな」
真面目な顔をしてボソッと呟く三ツ谷に、
ランは思考が停止してしまった。