第37章 render
そんなこんなで解散後、
タケミチと千冬が話しかけてきた。
「ランさん、あのあと大丈夫でしたか?」
「え?あのあと…?」
「えっ、あっ、あぁ…あの…俺と千冬がたまたまランさん見かけて…で、三ツ谷くんに電話したんで」
「え!そうだったの?
あ、ありがとうねっ…お陰様で全然大丈夫」
はは…と苦笑い気味にそう言って頭を搔く。
なんだか少し恥ずかしい…
部下に失態を見せてしまったみたいな感じだ。
「ところでタケミチはヒナちゃんにチョコ貰えたの?」
「あっハイ!」
(あのあと遅れていったからちょっと怒られたけど)
「でもタケミチいっぱい貰ってたね!
7位なんてすごい」
「いや、でも…やっぱ好きな子から貰えるチョコだけでいいっすよ俺は。他はマジでいらんす。」
「お前分かってんじゃんタケミッチ!
そのとーりだよなぁ?」
満面の笑みの三ツ谷に腕を回される。
「でもさ、ヤキモチ妬いてる彼女も可愛いと思わね?」
「ちょっと隆!私はヤキモチってゆーか、」
「わーったわーった。(ヤキモチだろ?)
ほんと可愛いな。俺の彼女って世界一可愛いと思わね?なぁタケミッチ」
「ハハッ、はい。そっすね…」
(世界一可愛いのはヒナなんですけど…)
「ほら、おいでラン。帰ろ。」
そう言ってランを抱いてバイクに乗せる三ツ谷と、恥ずかしそうな不貞腐れたようななんとも言えない顔をして三ツ谷の腰にしがみつくランの姿を見てタケミチは願った。
どうかこの2人の未来が
この先も幸せでありますようにと。