第2章 rampant
「名前は月乃ランだ。
この子の爺さんとワシは親友だったんでな。爺さんちは東北で遠いから、頼まれてワシが引き取ることにしたわけだ。
お前たち、仲良くしろよ。」
えー……
マジで一緒に暮らすの?!
これから?!こいつと?!
はぁ…なら仲良くするしかねーか…
俺は前向きに考えることにした。
嫌な奴ってレッテル貼ったままじゃ一緒に暮らすなんて息が詰まって無理だからね。
だからまずは5日間、なるべく(俺なりに)愛想良くして話しかけたけど…
驚くべきことに、完璧に無視!
どころか、会った時と同じようにガンを飛ばしまくってきた。
なのに、エマにはとてつもなく優しい。
……なんなんだろう?
俺なんにもしてないのになー。
……え、もしかして無条件に喧嘩売ってんの?!
俺に?!
とりあえず俺は兄貴に相談してみることにした。
ちなみに兄貴は黒龍の創設者であり初代総長。
幼い頃から両親がいない俺らの親代わりみたいな存在で1番尊敬していて本当に大好きな兄。
俺にとって兄は憧れそのものであり、聞けばなんでも知っているような、そんな存在だった。