第2章 rampant
「今日から、この子は我が家の一員だ。」
ある日突然、爺ちゃんがそう言って目の前に女の子を連れてきた。
「万次郎、お前と同じ歳だ。」
「へぇ〜!俺は長男の真一郎!
こっちは弟の万次郎、で、妹のエマだ。
よろしくね!」
10個上の兄貴は朗らかにそう言って、
わざわざ俺たちの紹介までしてくれた。
でも…
ランは名前すら言わなかった。
どころか、整った顔には似つかわしくない尖った鋭利な眼光を、俺と兄貴にだけ交互に突き刺していた。
……え、なにこいつ。
クソ生意気そ〜っ!ドン引き!
うんともすんとも言わねーし
挨拶もしねーどころか名前すら言わねーし…
色んな意味でやばくね?!