第7章 reborn

俺はボロ雑巾状態で橘んちに走った。


｢また喧嘩したの？！｣


やっぱり日向に怒られた。



｢男の子ってなんで喧嘩ばかりするの？
ヒナも男の子だったらなー…｣


｢え？｣


｢そしたらねー、
花垣くんのこと、ヒナが守ってあげるの！｣



その笑顔と言葉に、心がじわりと温かくなる。


｢俺も、ヒナのこと守る！｣


あっ…
勢いでヒナって呼んじゃった…



｢いや…釣られちゃって…｣


｢うん！その方がいい！でも守るのはヒナの方だね！｣


｢は？｣


｢だってタケミチくん、泣き虫だし。男だったら絶対ヒナの方が強いもん！｣


ヒナも、"タケミチくん" と呼んでくれた。



"君にしか、姉は救えない"


その言葉を反芻する。


｢バイバイ！また明日ね！｣


｢うん！｣



直人に会わずに踵を返す。


現代では俺とヒナは付き合ってないし
何年も会ってない。

俺がヒナを救うギリはない。


でも……


あいつは死んじゃダメだ！！
絶対に！！俺が救う！！