第36章 regain
「タイマンも張れないわけ?
まぁ何人いようと関係ないけど」
ランが連れてこられた部屋には
他に男が2名いた。
3人とも高校生くらいのヤンキーに見える。
多分どこかの族だ。
特攻服は着ていないが、雰囲気でそう思った。
それに、私に喧嘩を売ってくるんだから、ただの不良でないことは間違いない。
「で、喧嘩すればいーわけ?
じゃーとっとと終わらせよ」
はーあ…
運がないなぁ…
まさかこんな大事な日に限って…
ランが静かにカバンと紙袋を置こうとした瞬間…
ドンッ
勢いよく蹴り飛ばされた。
早いっ…!
ていうか…
「不意打ち狡すぎ!」
「あん?不良に狡いもクソもねぇだろ」
「……まぁ確かにそうだね」
ならこっちだって躊躇しないから!!!
ドンッ
ガンッ
バコッ
シュッ
1 VS 3
やっぱりどこの族も私の力量を分かってて腕のたつのを数人送り込んでくるんだ。
「おいおいやっぱイザナさんの言ってた通りバケモンだな」
「お前が手ぇ焼いたのも無理ねぇかもな」
「だろ?でもこないだは邪魔もん来たからよ」
?!
イザナ?
聞いたことあるような…
えっと…どこの族だっけ……
てゆーか…
え…?
こないだって何?!
「余所見してんなよオラァァァ」