第35章 repel*
「となったらみんなに連絡回しとかなきゃな〜
まぁ回さなくても分かってると思うけどね♪」
ウキウキした様子で万次郎は携帯を弄り始めた。
「…ちょ……その日学校だしさ、放課後は隆んとこ行きたいし、夜遅くからにしてよ?」
「んーわーったわーった。じゃー夜9時な。
みんなテンションあげてくるだろ〜な〜」
ケタケタ笑いながらボタンを操作している万次郎を見ながら、ランはみるみる冷や汗を流していた。
……どーしよー…
マジでこんなことになっちゃったじゃん。
私ったら何やってんだろ…
「で、俺には今年、何くれんのー?
もちろん去年同様、皆とは別のもんくれるんだよな?」
にんまり子供のような笑顔を向けられ、
「めんどくさ…」
自分にしか聞こえない声でついそう呟いてしまった。
「……な…何がいいの?」
「ん〜そーだなぁ〜…
なんかおっきいやつ!!!」
「え」
おっきいやつって何?
ボリュームあるものってこと…?
だとしたらケーキしか思い浮かばないんだけど……
ケーキかぁ……
ランはブツブツ何かを呟きながら
いつの間にかエマの部屋に行っていた。
「ねぇエマ…今年は堅にバレンタイン何あげるの?
私ちょっといろいろ迷ってて…」
「んー?ウチはもう決まってるよ?
ハート型のチョコタルト!」
「えっ、ハート型?」
「そりゃあやっぱハート型でしょ♡♡」
エマはニッと笑って雑誌を開いて見せつけてきた。
おぉ〜…可愛い……
でも……