第35章 repel*
「…なんか恥ずかしくない?」
「はぁ?!何言っちゃってんの?!
好きな人にあげるならこんくらいガツガツいかないとっ!」
すごい剣幕で言ってくるエマに、
思わずウッと怯んでしまう。
「だからランも絶対ハート型にしなきゃダメだよ?」
「あ…うん……ハート型ね…」
そんなもの作ったことないし…
なんかそれを見た時の隆を想像すると……
あぁヤバい…
めちゃくちゃ照れくさい…!!
「絶対に喜んでくれると思うよ?あの人。」
そう言われてしまうと、
やっぱり特別感を出すためにハート型にした方がいいのかななんて思えてしまう。
まぁ喜んでくれないなんてことは…
ないと思うし。
だって今までとは違って
もう付き合ってるわけだし。
「分かった…じゃあやっぱりチョコケーキかなぁ」
「うんうん!いんじゃない?!
で、いっぱいデコってさ〜豪華にして、
愛を注入すれば絶対美味しくなるよ〜♡」
「愛…ね……はは…」
苦笑いしながらもイメージを膨らませる。
そうだよね…
どうせハート型にするなら
思いっきり愛を伝える感じのものにしてみてもいいかも…!
「13日、一緒にがんばろーよ!」
「…うん!」
その日はエマとお菓子作りをすることを約束した。