第35章 repel*
「んっ…… ラン…俺もイクよ…」
「っ…ん…」
互いの指を絡めて、
体温、吐息、体の全てを感じあった。
「っっ、は………」
三ツ谷の小さく呻く声が
艶っぽい吐息と共に耳にかかった。
僅かに震えて肩で息をしていた三ツ谷が
ランに口付けし、舌を捕らえる。
幸せ…本当に幸せ…
ずっとこうしていたい…
2人ともそう思っていたが、
帰り際にはお互いどことなく不安になっていた。
「隆…何かあったの?」
「は?」
「だって、なんか……」
そう言って顔を赤らめ、いくつもの首元の痣を擦るランに、三ツ谷はため息を吐く。
「ランてさ…いろいろホント鈍感だよな」
「え?」
「ま、いーや。マーキングしといたし。
じゃーな!」
「?うん…」
ランの額に軽くキスをして三ツ谷は帰って行った。
結局…気になること、怖くて聞けない俺…
マジ情けねー…
「全部かわいんだけどさ…あいつ……」
さっきの乱れてるとこも
すげー可愛かったな…
思い出すだけで…ヤバ…
つぅか俺、ガキだなぁ……
帰路を歩きながら、三ツ谷は自嘲気味に額に手を置いて顔を赤らめていた。