第35章 repel*
三ツ谷はさっそくランと万次郎の家へ行き、事の経緯を説明した。
「そうなんだ…」
「俺でも三ツ谷でもなくケンチンかよ」
ランは複雑そうな顔をし、万次郎は悔しがっている。
「でもまだまだ気をつけろよ?
世の中変な奴多いんだから」
「はは、隆ってばやっぱり心配性!」
そんなふうに笑っていて相変わらず不安になるが、
なんにせよ、犯人が捕まって少しは一安心だ。
万次郎もなんだかんだ言ってホッとしている様子。
「つぅかラン…
なんかちょい久々じゃね?」
「え…っ?…あ…4日ぶりくらい…?」
よそよそしく視線を逸らされ、
三ツ谷は眉を顰める。
前は毎日会ってたってのに…
「最近何してんの?忙しいの?」
顔を覗き込むと、明らかにギクリと反応したのがわかった。
「っ…やっ…えっとまぁ…いや…」
「……」
相変わらず嘘隠すの下手な奴…
でも、なんだ??
「おーおー痴話喧嘩こえ〜」
万次郎はやれやれといった様子でニヤニヤしながら離れていく。
「…ルナマナに飯あげてからまた来てもいい?
お前に渡したいもんもあるしさ」
「あ、うん」
(渡したいもの?)
三ツ谷は真顔のままランの頭をひとなでして帰って行った。