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progress ~東リべ卍~R18~

第34章 ratio*




「触っていいよ…万次郎。」


万次郎のその手を握って頭に置いた。

戸惑うように、クシャ、と髪が撫でられる。

懐かしい感じがした。

これ…
小さい頃はよく勢いよく跳ね除けてた。

拒否らなくなったのは…
一体いつからだっけ?

もう忘れてしまった。

そのくらい、
ずっと長いこと万次郎といるのだと実感した。




「……もう、怖くない?」


こくりと頷くと、万次郎は安心したような柔らかい笑みを浮かべた。


「俺ね、ずっと長いこと、
多分ランに、ちゃんと振ってほしかったんだと思う。俺のもんにはぜってーならねぇって心のどこかで分かってたんだ。」


「…っ…」


「そんな自分を無視してた。
でも…強くなりたかったんだ…」




"本当に大切なことは、喧嘩に勝つことじゃねえ。
自分に、負けないことだ。"


その言葉がまた脳内にリフレインして
ドクッと鼓動が跳ねた感覚がした。
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