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progress ~東リべ卍~R18~

第34章 ratio*



「ラン…ありがと。
俺さ…一番最初に好きになった奴がランで、良かったって思ってる」


「まんじろっ…」


「何年も何年も、今までずーっと、
ランの1番近くで笑ったり落ち込んだりできた。
いろんなランを見てこれた。
…すっげえ幸せだった……」


どこか遠い目をして優しく弧を描く万次郎の瞳が綺麗で、目が離せなくなった。



「…羨ましいだろ?
俺は今も、超幸せなんだ。
好きな奴が、俺のことを命より大事って言ってくれてんだぜ?」


これ以上の幸せある?

そう言って、万次郎は笑った。

その笑顔が、
どこか泣いているように見えて…


また目頭が熱くなって奥歯を噛み締めて耐えた。


万次郎…
自分が振られて辛い状況のはずなのに…
私がいつのまにか慰められてる…

その優しさに甘えてしまう私は…
本当に愚かな気がする。


隆といい万次郎といい、
どうしてみんなこんなに優しいんだろう。




「たくさん傷つけて…ごめん」



「ふはっ…なんだよそれ!
俺のセリフなんだけど!」


万次郎はケラケラ笑ってランの頭に手を置こうとした。
しかしその手は宙をさまよって止まった。




…ほら、優しい。
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