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progress ~東リべ卍~R18~

第34章 ratio*












「結婚して。ラン。
将来俺の、嫁さんになって。」











音が無くなり、息すら出来なくなった。
周りの何もかもが見えなくなった気がした。

ただ目の前の人の、
優しげな顔しか……



硬直したまま動けないでいると
パッと口が解放された。



「返事、聞かせてよ。」



自分の呼吸を思い出したかのように
開いた口から一気に酸素を吸い上げる。











「はい…」






たった一言、それしか発せられなかった。

それでも三ツ谷の瞳が優しく細まっていく。
口元は、嬉しそうに弧を描いていった。





「やっとこれで…」



三ツ谷に勢いよく抱き締められる。



「ずっと、俺のもの…」





耳元で囁かれた微かな声と吐息に目を瞑る。




幸せだと思った。
心から。

幸福な未来以外が全く想像つかなくなった。




「隆…ありがとう。」




ふっと三ツ谷が耳元で笑った。
そのままゆっくりと押し倒され、三ツ谷の笑みが目と鼻の先にある。





「じゃあご褒美は…もらっとく。」





唇が重ねられた。


離れては重なり、何度も角度を変えて触れるようなキスが落とされた。

それが徐々に
互いを貪るようなものへと変わっていった。
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