第34章 ratio*
「…好きだよラン」
「わっ…たしも……好き……」
"三ツ谷を好きで、で、その先は?"
ふいに、柚葉の言葉が脳に反芻してきた。
"アタシはさ、ランのことも三ツ谷のことも好きだから…幸せになってほしいって思う。"
「た…かし…」
「ん?」
三ツ谷の腕がグッと強まった。
その背にゆっくりと腕を回す。
「私…は……
隆とこの先の未来も、将来もずっと…
一緒にいたいって思うよ」
「うん、俺もだよ。」
「…ね…じゃ…さ……
将来は私と……」
三ツ谷の肩を涙で濡らしながらギュッと目を瞑る。
生唾を飲み込み、その後の言葉を言おうと口を開きかけた時、パッと体を離され、手で口を塞がれた。
「っ…?!」
驚いて潤んだ目を大きく見開いていると
三ツ谷は眉を下げて優しく微笑んでいる。
「ダメだよラン。
続きは俺に言わせろ。」
え………