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progress ~東リべ卍~R18~

第34章 ratio*




眉間に皺を刻んだまま
徐々に三ツ谷の空気が変わっていった。




「別れる……って、
俺が言ったら別れんの。」




数秒の沈黙の後、
少し怒りを込めたような声色。



「…それは……うん。
仕方ないことだから……」


だって…私は
隆をすごく傷つけた。


「私…あの時助けてくれた隆に嫉妬してたんだと思う。
男で、強くて、女を守れた、そんな隆に…」


私はやっぱりどうしても男にはなれないから…
男に女扱いされる、男に襲われる対象の女…だから…



「隆のことも万次郎のことも、男として怖いって初めて思っちゃった。そんな私が許せなくて…軽蔑するでしょ。
2人はそんな男じゃないって分かってるのに…」



「いや俺もマイキーも、そんな男だよ。」



その言葉に、ドクッと鼓動が跳ねた。



「俺もマイキーも…
お前が怖がってる男とそう変わんねぇよ。
だって男なんだから。」


三ツ谷の瞳は、玲瓏な光がぎらついていて
目が離せなくなって吸い込まれそうになる。

何度も見てきたその目に、顔に、
やっぱり男であり異性なのだと再認識させられた。

そして
自分がちゃんと女なのだということも…。





「俺は… ランが好きだよ。
別れたいなんて思うわけ…ねぇじゃん…」



見開いているランの目から涙が溢れてきた。

その頬に、目を細めた三ツ谷がそっと手を差し伸べる。
しかしやはりその手は
触れるのを躊躇うように止まった。



「……俺のこと怖い?」



眉をひそめて問いかけてくる三ツ谷の優しさに
ポロ…と頬に涙が伝う。

声が喉の奥に詰まって出てこない。

代わりにフルフルと首を振った。
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