第34章 ratio*
「すみませんランさん急に…」
柚葉と公園で別れてから
そのままベンチに腰掛けてタケミチと対面する。
「ランさんが…いろいろその…
あったって聞いて…」
「あーうん、全然平気。
心配しないで?」
ニコニコ笑うランの痛々しい空気がわかり、タケミチの眉間にシワがよる。
「実は…未来に戻ってきました。
それが…全然よくなってなかった。」
それどころか、最悪の2文字以外の何者でもなかった。
でも
さすがにあんな未来のことは言えない。
「すみませんこんなときに…
でも今だからこそ…ちゃんと伝えときたいって…」
「…え…どんな未来だったの?」
「……言えません…」
「え?」
苦しみに耐えるようなタケミチの表情に、
何も聞き返せなくなった。
もしかしたら聞かない方がいいことなのかもしれない。
それで現在がおかしな方向に変わってしまうことがあるかもしれないから。
「だから一つだけ…お願いがあって。」
「うん」
「どうか三ツ谷くんともマイキーくんとも仲直りしてください。どちらともから離れるようなこと、しないでください。」
その言葉に、ランの鼓動がドクッと波打った。
まさに、自分はどちらにも別れを告げようかと考えていた。