第7章 reborn
「お前…名前は?」
「た、橘直人です!」
「え?!お前っ!橘の弟?!」
「?…あ、姉ちゃんならいます…」
「なんだよ早く言えよ!俺、花垣武道!
タケミチでいーよ!」
「あ。もしかして姉ちゃんの友達ですか?」
そーだ…!
橘直人…
12年後…こいつも死ぬんだ!
「姉ちゃん…好きか?」
「え?嫌いですよ。いろいろうるさいし!自分の姉ちゃん好きな奴いませんよ。」
「…そっか。そーだよなぁ…
でも、姉ちゃん、大事にしろよ。」
「・・・」
「俺はお前の姉ちゃんが大好きなんだ。
好きで好きでどうしようもないくらい好きだった…
それを今日、思い出したよ…」
「?」
「ぶっとんだ話だけどよ、2017年の今日、俺、駅のホームから線路に落ちてさ。死んだと思って気付いたら中学生。
12年前の今日だった……これってなんて言うの」
「タイムリープ?!?!」
「そう!それそれ。なげー夢見てるだけかもしんねーけどさ、きっと…
神様が最後にもう一度、橘に会わせてくれたんだ」
「え?どういうこと?」
直人はもちろんまるで意味がわかってないし
信じてもないだろう。
俺も、なんでこんな話してんだか…
わかんねぇ…
ただ…誰かに聞いて欲しいんだ。最期に。