第33章 realm
「マイキー、俺さ……」
エマがまた歩き出してから、
ドラケンは静かに口を開く。
「三ツ谷の味方にもランの味方にも、
お前の味方にもなれねぇからさ…
なんもできるこたねぇけどよ…。
でも、これだけは言っとく。」
万次郎の丸い瞳がドラケンを見上げる。
見下ろしているドラケンの真剣な黒目と交わった。
「関係がどうとかばっかり気にして、
一緒にいられる幸せを、見失うなよ。」
目を見開く万次郎から目を離さないドラケンの瞳。
朝の太陽光が眩しく二人の間に差し込む。
その言葉は、なによりも心の奥底に響いた。