第33章 realm
「言ったろマイキー…俺は…
いつだって余裕なんか1ミリもねぇよ。
別に余裕ぶってるつもりだってない。」
三ツ谷が呼吸を整えながら隣に腰を下ろした。
「それにお前のことだって、
いつどんなときも俺らの中にあるよ。」
「……。」
「だって昔っからさ、マイキーはそれからそれへといろんなことしでかすんだもん。
それでも皆、お前が好きだからついて行ってる
わかるだろ。」
「…三ツ谷……」
万次郎が横を向くと、
三ツ谷が眉を下げて笑っていた。
「……帰ろうぜ。
きっとランも内心すげー心配してるよ。
マイキーのこと。」
手を差し伸べてくる三ツ谷のその手を
万次郎はそっと掴んで立ち上がった。
「…嘘ついてごめんな」
「こっちこそ…無抵抗なのに殴って悪かったな」
「だって俺が殴ったら一瞬で終わっちまうだろ」
「……相変わらずムカつく奴だな…」
2人同時に笑ってびしょ濡れのまま歩き出した。