第33章 realm
次の日の放課後、
三ツ谷は万次郎に呼び出されてまたファミレスに来ていた。
「え?どう謝ったらいいかって?」
「…うん。こんなこと、三ツ谷に聞くのもどうかと思うしそもそも自分でこんな状況にしといてアレなんだけど。もう明日から俺学校だし」
あまりにもギクシャクとしてしまったランとのことで悩んでいるらしい。
「でもさー、あいつのことは三ツ谷に聞くのが一番かな〜って」
チューとストローでジュースを吸う万次郎を三ツ谷は苦笑い気味で見つめる。
「も〜どーしたらいいかわっかんね。
はぁ〜……」
「……。」
「俺このまま口聞いてもらえず、目も合わせてもらえないなんて、嫌だなぁ…」
「…うん。そうだよな」
三ツ谷は腕を組んでため息を吐いた。
まぁマイキーの気持ちも…分かる。
「うーん……冗談だったってのも傷付ける…てか怒らせると思うし、かと言って…本気っていうのも…ますます……」
なかなか難しいな…
だってこんなことって普通はないし。
それにしてもマイキーってホンット図太い神経してるよな…
目の前にいるのはその子の恋人だぞ?
普通そんな男にこんなこと相談する??
まぁマイキーらしいっちゃらしいんだけど…
「……でもマイキーお前はさ、今まで通りの関係に戻れるのか?」
「さぁね。でも意外といける気がするよ。」
「え…?」
「俺が気持ちを抑えてればいいだけだろ?」
にっこり笑うその笑みが、
あまりにも痛々しく見えた。
「マイキー…」
気持ちは分かる。
まだランとは付き合ってないあの頃の自分だってそうだったから。
「一生結ばれなくてもさ…
二度と笑い合えないなんて関係だけは耐えれねぇんだ。」
万次郎は自嘲気味にそう呟いた。