第33章 realm
「…ご…ごめんな、ラン。
ホント悪い。許して…」
「ううん、違うのっ…別に嫌とかじゃなくてっ」
「嫌いになんないで。…どうか……」
そう言って、今まで見たこともないくらい落ち込んだ表情を見せる三ツ谷にランは逆に申し訳なくなってしまった。
「隆っ、私全然平気だから。
…だ、大好きだよ…」
三ツ谷は俯いていたが、目を見開いて顔を上げた。
「分かるでしょ?
私、ずっとずっと隆が好きで、今だってずっと大好きなままで、この先も一生大好きなんだよ。
だからそう書いておきたくてっ」
懸命に言葉を紡いでいたら突然抱き締められた。
「……じゃあ…
お前はずっと…俺のもんだから…」
「…うん」
「一生放してやらねぇから…」
「…うん」
「だから……」
三ツ谷が耳に口付け、
ぞわりと鳥肌が立った。
「覚悟しとけよ…」
ギュッと抱き締めてため息を吐く彼に、
いつになく大人っぽくもあり、
子供っぽくも感じた日だった。