第33章 realm
落書きルームへ移動する。
「ちょっとっ!隆も何か落書きしてよ」
「えー、俺男だしわっかんねーよこういうの」
そう言いつつ、仕方なくテキトーにスタンプを押していった。
「わ〜…ふふ…ハートだらけ」
「うっせぇよ…」
三ツ谷はチラリとランの落書き画面を見て目を丸くした。
"ずっと一緒"
"一生大好き"
"あいらぶらゆー"
そんな言葉を書き込んでいっている。
しかも…真剣な表情で……
なんとも言えない感情が湧いて
顔が熱くなってしまった。
あぁ…可愛いな…
ランってやっぱ……
俺にとっては
ただの可愛い女の子だ…。
三ツ谷は自分がランを抱き締めて笑っているプリクラ画面に視線を移した。
俺って……
こんな顔できんだな……
ヘラヘラしやがって……。
妙な羞恥心を抑え込んで
思い切ってペンを握った。
できあがったプリクラを見て言葉に詰まり、
頭をかいた。
自分からしておきながらなんなのだが、
キスをしているハートいっぱいの写真が実際に現像されてくると、羞恥で直視できなくなった。
「これ…ホントに貼んのか?」
キスのプリクラを、ランはなんの戸惑いもなく以前のルナマナとのプリクラの横に貼っている。
「当たり前でしょ?隆もこれね!」
「せっせめてこっちの普通のじゃダメか?
こんなの他の奴に見られでもしたらっ…」
「ダメダメ。…あっ…!」
ランは別のプリクラを見て
突然顔を赤くした。
三ツ谷が自分に抱き着いているプリクラ…
そこには三ツ谷の字で、
"オレのもの"
とデカデカと落書きがしてあった。