第33章 realm
「えっ、プリクラ?!」
「そーだよ?早くっ」
腕を引っ張られてプリクラ機の中へと入れられた。
「…う…眩しい…
こーゆーの結構恥ずいんだよな…」
「二人で撮ったことまだなかったじゃん!」
前にルナマナ含め撮ったプリクラは
ランに促され一応携帯に貼ってある。
「今日撮ったやつも貼ってね!」
「はは…わかった」
前よりようやく元気が出てくれたランにホッと安堵する。
でも……
あのことは…どう思ってんだろうな。
どんな気持ちで俺に隠してんだろう…
やっぱ言えないってことか…?
それか……まさか……
実は嫌じゃなかっ…
「ほら!隆!」
パシャ
グイと引き寄せられ
咄嗟のことで驚いたような顔が撮影されてしまった。
「あははっ!隆の顔ウケるね?」
「っ…このやろ」
「っっ?!?!」
突然後頭部に手を回され、
唇を押し付けられた。
パシャ
とフラッシュの音がし、
そのまま撮影されてしまった。
「…うそ…は、恥ずかし」
「ははっ!ランの顔ウケるな?」
「〜〜っ…もうっ…」
お返しをされてしまった。
手で顔を覆うと、三ツ谷に手を外されて引き寄せられた。
「うそうそ。からかってごめんな?
ちゃんと撮ろーぜ。もっかいしてい?」
「っ……う、うん…っ」
フッと優しげに笑った三ツ谷がゆっくりと目を閉じ、顔を近づけてきた。
ランもゆっくりと目をつぶって三ツ谷の手を握る。
いつもの自然な感じが
逆に照れくささを感じさせなかった。
やっぱり彼とは自然な関係でいたい。
いつまでも……
少しでも気まずい関係やギクシャクした関係にはなりたくない。
何があっても…