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progress ~東リべ卍~R18~

第33章 realm



「なんにも買わなくてよかったの?」


結局何も買わずに店を出たため
そう問いかけると、三ツ谷は軽く頷いた。


「もっと他の店も見てからじゃねぇと。
ランに作るもんなんだから」


「え?!また私に何か作ってくれるの?!」


「なんでそんな驚くんだよ」


「えっ…だって…」


「俺さ、本当はさ…
ランには俺が作ったもんだけを身につけててほしいんだよな。」


目を見開くと、三ツ谷は悩ましげに笑っていた。


「…ハンパねぇだろ。俺の独占欲。」


意外だった。
今まであまり、そういうことを彼の口から聞いたことはないし、されたこともない気がする。


「……本当の俺は…
ランに対して独占欲と執着心と嫉妬心の塊みてぇな男だよ。」


どことなく、
繋いでいる手に力を込められた感覚がした。



「…っ………」


嬉しいはずなのに、
どこか無性に申し訳ない感情が湧く。

あんなことがあったからだろう。

罪悪感のようなよく分からない感情でいっぱいになった。



「…あのさ隆」


「ん?」


「今度は私が寄りたいとこ、
付き合ってもらってもいい?」


「あぁ、もちろんいいけど。珍しいな」



そうして引っ張られて行った先で
三ツ谷は苦笑いする。



「…ゲーセン…て……」


まさか…
またUFOキャッチャー取れるまで挑戦ってやつか?!


三ツ谷は、以前ルナマナと河田兄弟と
長時間ゲーセンのUFOキャッチャーに付き合わされたことを思い出していた。
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