第2章 rampant
「なぁ、お前って…そんなに強くなって、どうするつもりなの〜?何目指してんの〜?女なのに。」
「…私は…誰よりも強くなるんだよ」
「いや、質問の回答になってねーし。」
「…うるせぇな。とにかく私は、男なんかに負けてらんないんだよ。とくに万次郎、あんたみたいな強い男にはね。」
スっと横を向いて目が合った。
ランのその目は鋭く光っていて、まるで敵に向けているかのようなそれだった。
でも…
昔よりはマシになったと、万次郎は思った。
ここに来たばっかのランなんて、もっと酷かった。
女に対しては普通に、いやむしろ凄く優しく接するのに、
男に対してはもうこの世の1番汚いものを見るような眼光を向けていた。
1度目を合わせると、決して目を逸らさない。
ただひたすら、鋭い視線を突き刺してくる。
そして誰もが息を飲んで目を逸らしてしまう。
目を逸らさないのは、俺だけだった。