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progress ~東リべ卍~R18~

第32章 rear



「ま、万次郎!いーよ、もう行こう!」


「あ?」


「行こうってば!!」


思い切り叫ぶランを見た瞬間、
その怯えたような顔色の悪さに万次郎は急いでランの手を掴んだ。


「っあ!!逃げる気かよ〜?!マジー?!」

「くっそ!待てよ!!」


勢いよく走っていく2人を追いかける灰谷兄弟。

万次郎はランの手を引いて
なんとか建物の隙間の路地に逃げ込んだ。



はぁ、はぁ、と息を切らす2人。



「はぁっ…なんか久々全速力出した〜」


「はぁ…私もだよ……なにあいつら…ハァハァ」


「っあ!てかバイク置いてきちゃったわ」


「もぉ〜〜っ!」


呼吸を整えながら、
2人して笑いあった。


「ふーっ…もうそろそろ出ていんじゃない?
あいつらも諦めたっしょ」


そう言ってランが路地裏から道を覗き込もうとした時、万次郎がグイッとランを引き寄せた。


「っえ」


ドン



突然、手首を捕まれ壁に押さえつけられる。

一瞬のことにランは目を瞬かせた。



「ちょ…万次郎?」


目の前の万次郎は、真剣な瞳で真っ直ぐと見つめてくる。


な…なに…?

なんか今日の万次郎おかしくない…?





「っっ?!」





たった今起こっていることに、
思考が追いつかなかった。




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