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progress ~東リべ卍~R18~

第32章 rear



「…随分と舐めてくれてんね。
言っとくけど私は、万次郎より強いからね」


「よせ、ラン。下がってろ」


「なんで?喧嘩売られたのは私だよ?」


万次郎が止めるも、ランは蘭に近づいていく。


「じゃ、お先にどーぞ。
レディーファーストで♡」


蘭が余裕の表情で突っ立っている。

レディーファースト…
そんな言葉を言われれば、いつものランならば即座に殴り掛かるところだ。

しかし何故か今回は、
手も足も思うように動かせずにいた。


あれ……
なんで……?

なんで私…震えてんの?


まさか…



男に近づくのが…


まだ…



怖いから?








「ん?どーした姫様?
来ねぇならこっちから行くぜ!!!」


バッー…!
と目にも止まらぬ早さで飛んでくる拳に、
ランはハッとなって目を見開いた。


その瞬間…



ズドドドド!!!



「「!!!」」



「ランに近づくなっつったろ」



万次郎の足蹴りが蘭に飛んでいた。
それでも蘭は腹を擦りながら起き上がった。


「おいおい、ハハッ
いきなり出てくんの反則だろ」


「俺は今すんげぇ気ぃ立ってんだよ
マジでなぶり殺しちまうから失せろよ…」


万次郎の氷のように冷たい眼光と
おどろおどろしい空気に、ランは焦り出す。


「はん?兄貴に向かって結構すげぇこと言うじゃん?」


今まで大人しかった竜胆が青筋を立て始めた。
完全にキレている様子だ。
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