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progress ~東リべ卍~R18~

第31章 reaction



例の事件が起きた道に差し掛かろうとしていた。


はぁ…はぁ…


なんだろうこの動悸…
呼吸が苦しくなってきた。




「… ラン?大丈夫か?
向こうで休もう」


万次郎が不安げに顔を覗き込んでくる。
触れていいのかどうか迷っているように、手を伸ばしたまま戸惑っているのが分かった。


「ごめん、はは…ど、しちゃったんだろね、
大丈夫…だから…」


「無理すんなよ…やっぱ休もうぜ?」


「え、いーよ、あともうちょっとだし。
せっかくここまで来たんだから万次郎も隆んとこ寄ってこうよ」


そう言って、自分から万次郎の手を取るラン。
そこまでされると、万次郎も大人しく従うしかなかった。






「へぇ〜ここが三ツ谷の部室ねぇ〜」


「おおマイキーも来たのか。
ラン平気か?問題なかった?」


「ははは大袈裟なんだから〜」


そう笑顔を作ってみたものの、
内心自分自身にとても動揺していた。


あんなとこで具合が悪くなるほどに
私って……




「げっ…ちょっとランちゃん!
こ、この人誰?部長とランちゃんの友達?
新しい不良?」


「あ〜アハハそうそう!こう見えて良い奴だから
気にしないで!!」


突然現れた万次郎の存在には皆驚いてはいたが、
すぐに慣れてしまったようで普段通りの部活が最後まで行われた。


万次郎は作業中の三ツ谷とあれこれお喋りしたりしていたが、裁縫には当然興味が無いようで、空いている席でたちまち眠ってしまった。

通り魔については各学校に知らされてはいるが、ランの身に起きたということは他校には広まっていないため、この部活動の皆とは今まで通りに接することができ、居心地の良さを感じた。


いっそここに転校したい…

心の中でそう呟いた。
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