第31章 reaction
「ちょっ!なにやってんの!!
万次郎!!やめなさいよ!」
その声に、万次郎は俯いたままピタリと動きを止めた。
「停学食らっちゃうよ!
ホントなにしてんの!?」
「お前にはカンケーねぇから」
無機質な声でそう言い捨て、
ガンッ!と勢いよく机を蹴って教室を出ていってしまった。
「堅っ、ちょっと…どーしたのよ…」
「はぁ……放っといてやってくれ」
「え?」
「テメェらが悪ぃんだからな。
2度目は俺も殺すぞ」
ドラケンのただならぬ空気感に圧倒された周囲は、怯えたように口を噤んでいた。
万次郎は予想通り、
1週間の停学処分となってしまった。
何が起きてあんなことになったのか、
誰もランには話してくれなかった。
そして放課後、
約束通り、万次郎はランを迎えに来た。
「万次郎…あのさ、昼間のことだけど…
何があったか教えてよ?」
道すがら、歩きながら恐る恐るそう問いかけるも、万次郎はそっぽを向いて黙ったままだ。
私に…
言えないようなことなの?
万次郎は理由もなく人を殴ったり蹴ったりはしない。
絶対に何かあったはずだ。
「万次郎…」
「ムカついたから。それだけ。」
「……」
だからその理由を聞いてるんだけど…。
もうこれ以上聞いても無理だなと思って諦めた。
私のせいかな…?
私のせいでイライラしてて…
ちょっとしたことでキレちゃった…とか…
私がこんなんなせいで
いろいろおかしくなってっちゃったらどうしよう…