第31章 reaction
学校中では当然噂になっていた。
教師たちが各クラスに、
生徒が1人襲われ、犯人は未だ逃走中なので女子生徒は得に気をつけるようになどと報告したこともあり、そして後日登校してきた包帯だらけのランが皆の前で堂々とこう言ったせいだった。
「みんな本当にごめん!!
犯人取り逃しちゃって!
だから皆も気をつけて!!
女子は絶対に1人で帰らないでね!!」
「さっすがランちゃん!
撃退したんだね〜」
「ナイフ持ってたってホント?
それなのにすごいよ!!」
「ははは…ううん〜
助太刀が入ったからなんとかなっただけだけど」
ランは誰に何を言われても
変な気を持たせまいと笑顔を振りまいていた。
「私はぜんっぜん余裕だから〜」
そう。大丈夫。
私は大丈夫。
万次郎はいつも寝坊するくせに
しっかりと起きてきて、一緒に登校してくれた。
神妙な面持ちで「ごめん…」と謝ってきて、
罪悪感を感じてたみたいだ。
私が、なんかあったら万次郎のせいだなんて…メールを送ってしまったせいで。
「別に万次郎のせいじゃないしー!
私ぜんぜん平気だよ?
怪我も大したことないしさ〜」
そう明るく言ってみたけど
万次郎は本気で悲しそうな顔をしていた。
あ〜あ、情けない。
万次郎にこんな顔させちゃって…
いらん心配かけちゃってさ。
犯人にまた狙われるかもだから
いつものスカーフもうするなって隆に言われて
ヤダって言ったら没収されちゃったし…
こんな私、
ものすっごく…
死にたいほど情けなさすぎる。