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progress ~東リべ卍~R18~

第31章 reaction




「こんなときにまでヘラヘラしてんなよラン
ほら……おいで…」


三ツ谷はランをゆっくりと包み込んだ。


「や…だ、はは…大丈夫だよ隆大袈裟」


「もういい加減強がんなよ。
俺にくらい本音を見せろ」


ドクッと大きくランの鼓動が跳ねた。
それでもランはグッと奥歯をかみ締めて目を瞑り、気付かれないように深呼吸して瞳を開けた。


「やめて隆」


「……」


「もう、ホント大丈夫だから」


ここでこの体に縋りついて泣いてしまったら、
私は私でなくなる。きっと戻れなくなる。
今まで築き上げてきた努力が水の泡になる。



「……なぁ、俺は何のためにいるんだ?
ランの心も体も守るためにいるんだぜ?」


「…違うよ…私そんなか弱くない。」


「……。ラン」


「平気だから本当に。だからやめて…」


「……。」



ホント、バカだな…
弱みを見せる自分を許せなくて認められないんだろう。
この期に及んで……



三ツ谷は懸命に自分の感情を押さえ込み、
震えているランを解放した。


「帰ろう」


とれて落ちていた赤いスカーフを拾い、
バッとランの手を握ってゆっくりと歩き出す。



「隆……」


私よりも手、震えてるよ…




あぁ…私はなんて情けないんだろう。

強いはずなのに、
こういう時に限って助けられて守られて役立たずで…


堅の言ってたように
なんにも…できなかった。

男も取り逃がした…




やっぱり、


女なんかに生まれたくなかった。
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